8月10日は、すごい雨だった。

雨は、宗像大社のある宗像から、壇ノ浦へ。観測史上最大級の雨だったらしく、私の住む家の裏山もちょっと壊れた。「ちょっと」と言っても、結構な土砂で、このひと月、処分できない土砂を活用するために、汗だくになって、作業をしています。

二位尼は、安徳天皇を抱いて、三種の神器と共に海の底に。

二位殿、海の底にも、都はあるのでしょうか。そこに龍宮城はありますか?

建礼門院は、壇ノ浦で捕らえられ、京都にのぼる途中、夢を見たそうです。

「そして数多い源氏の武士に捕らえられて、都に上ってまいりました、その途中のことです。播磨の国の明石の浦に着いて、私は少し微睡んだのでした。その眠りに、夢を見たのでした。昔の内裏よりも遥かに立派なところに、先帝をはじめたてまつり、平家一門の公卿、殿上人がみな見事に威儀を正して居並んでおります。私が『都を落ちてからはまだこのようなところは見ていません。ここはどこですか』と問いますと、母の二位の尼の答えだと思われるお声がして、『竜宮城ですよ』と言ったのです。そこで私が「結構なところですね。ここには苦はないのですか』と尋ねましたところ、『それについては竜畜経の中にいろいろと書かれておりますよ。よくよく後世を弔ってね』と言って、途端、夢は覚めました」|「平家物語」古川日出男より

満珠干珠の島が見渡せる、豊功(とよこと)神社の龍神社の由来には、「豊浦の海は、古来龍宮界との窓口になっている海域として知られています」と。

「ここには龍が眠ってる・・・封印されてるんじゃないか・・・」なんて、ちょっと不思議なことを考えていた矢先の宗像方面からの大雨。

龍神は水と縁が深く、雨を降らせるとか・・・。

「龍神様が喜んどるぞ」。雨がざっと降ると、父がそんなことをよく言ってた。

龍が目覚め始めてるのかしら・・・

そんな風に思うと、裏山が崩れるほどの大雨も、何かが始まるような・・・。